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トイレの紙様

浴室・トイレ
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ひとつ前の記事がお風呂だったので、バスルームつながりトイレの話をしようと思います。汚い話は極力しない予定ですので、ご安心ください。

築古狭小物件のトイレとは?

「全国トイレ水洗化計画」をご存じでしょうか?下水道の普及率の低さを憂えたエリート官僚たちが多額の国家予算をつぎ込み、全国の建設業者を借り出し、おまけになぜか警察官も動員した、2002年に始まった壮大な下水道整備プロジェクトです (詳細は以下のリンクをご参照ください)。省の垣根を越えて団結したエリート達に感謝しなくてはなりませんね。

このプロジェクトのおかげで、日本の水道設備は先進国でも有数のものとなり、我々国民は清潔で快適な排泄生活を享受できているのです。が、あくまでそれは水道管から先の話で、住居内部については物件のオーナーと賃借人が何とかしなければなりません。

今の日本の賃貸で汲み取り式とか和式のトイレはほとんどないかと思いますが、換気扇がない抗菌加工がなされていないトイレットペーパーなどを入れる収納がないなどの問題点を抱えるトイレは多いと思います。

本記事では、築古狭小物件のトイレにありがちな問題点と解決策を説明します。

カビの発生と解決策

神001番「私は、あなたと戦うつもりは、ないのです」

上述の通り、今日和式や汲み取り式のトイレということはないと思いますので、洋式トイレであることを前提に話します

狭小物件の場合、便器が小さいです。安いビジネスホテルのような感じです。よほど太っていなければ、そのうち慣れると思いますが、そういう便器は得てして抗菌加工がなされていません。引っ越し前の掃除の回に、パイプクリーナーによる除菌の話をしましたが、すぐにカビが生えてしまいます

便器のパーツは意外と形が複雑です。縁の内側に張り出した部分や、床に固定するためのねじを打つ部分などには飛び散りほこり髪の毛 (落ちるだけの髪があるって幸せですよね) など色々な汚れがたまりますし、それらを足場にあるいは栄養源にしてカビが生えてきます。

狭小築古物件のオーナーさんは低コストで客にアピールできるので、チャチな便器にウォシュレットをつけていることがあります。ウォシュレットは射出口の周囲のカビを一緒に噴射しているので、大変不潔です。あまのはウォシュレットの電源プラグを抜いて一度も使用していません。

このような状況ですので、築古狭小物件の排泄生活はカビ (主に黒カビ) との闘いです。ちなみに、この黒カビは空気中を漂っておりますので、お掃除サボっているとエアコンや結露のたまった窓の縁など、お家の中のいたるところでお目にかかることになります。

幸い、この黒カビ君はアルコールや漂白剤で簡単に落とせますので、胞子を散らして大繁殖する前にどんどん除去していきましょう!

便器の除菌には以下のようなアイテムが使われます。

  • 芳香剤 (タンクの内部用)
  • 射出ジェル (便器の内側、特にふちの裏側用)
  • 除菌シート (便器の外側用)
  • ブラシ・スポンジ (上記でとれない時用)

芳香剤

風呂・トイレが一緒のユニットバスの場合はついていないことが多いですが、風呂・トイレ別の場合、タンクに蛇口がついていると思います。ここに芳香剤を置くことができるのですが、除菌機能がついているものを設置すればタンク内部の除菌にある程度の効果が期待できます。芳香剤の香りには好みがあると思いますので、お好みのものを選びましょう。

注意事項としては、これを設置したからといってメンテナンスフリーにはならないということです。なんだかんだで便器の水面には黒カビが発生してしまいますので、以下に述べる射出ジェルなどは併用しなくてはなりません。

もう一つの注意事項として、大きい芳香剤を設置すると蛇口の水を弾いてトイレが水浸しになることが挙げられます。小さいものを選びましょう。

射出ジェル

カビに対して漂白剤が著効するのはみなさんご存じのことですが、トイレの場合造りが立体的かつ水を流すところですので、漂白剤をとどまらせるのが困難です。洗濯用の漂白剤などは流れるまでの数秒で接触したカビにしか効果がありませんので、代用はできません。

ブラシの類で物理的にこするのもいいかもしれませんが、時間もかかりますし、便器の水が体に飛び散るのは大変な嫌悪感を催します。以下の洗浄剤はほどよい粘性があるので、カビのある部分に射出して放置しておけば、数時間後きれいになっています。外出前や就寝前にさっとかければおっけーです。

便器の抗菌加工や使用状況、住居の清潔さによって使用頻度は異なるとは思いますが、まとめ買いしておくのが便利だと思います。

除菌シート

上記の二つは主に内部の清掃方法でした。以下、外側の清掃方法について記載します。漂白剤は効果があるのですが、床や壁の建材にダメージを与えると退去時に賠償させられる恐れがあるので、マイルドな方法が望ましいです。

アルコールは新型コロナウイルス感染症により、品薄だったり粗悪品が出回った時期もありましたが、今は供給が安定してきたように思われます。便器の外側や床や壁、天井などはこれで拭いてながしましげおょう

ある程度のまとめ買いは良いと思いますが、放っておくと中のアルコールが蒸発するので、業務用とかはやめるべきでしょう。

ブラシ・スポンジ

タンクの蛇口の錆や水垢、掃除をサボりすぎて化学的手法では落とせなくなった汚れ物理的手法で対応するしかありません。

トイレブラシなどは使用後の洗浄時に触れたくないですし、スポンジは手と便器の距離が近いですし、これらはできれば使いたくないですよね…せめて、ディスポのものを使用して嫌悪感を軽減しましょう。

激落ちくんは、スポンジだけでなく消しゴムなど「消すこと」にこだわった製品群です。名前のインパクトとその名に恥じぬ活躍から根強い人気を誇っています。ただ、「落ち」という名前を文房具につけるセンスにはついていけません (笑)。入試の際に激落ちくん消しゴムを配布して傷害事件に発展する事例が報告されております。この記事を読まれた方におかれましては、そのような形で悪用することは厳に慎んでいただきたく存じます。

消臭大作戦

神002番神004番「魚の目、とかいうギャグじゃないですよね?」

トイレを綺麗にすることで、固体および液体汚れの除去ができます。さて、この段階で残された汚れは何でしょうか?ヒントは物質の三態です。

・・・簡単すぎましたね。もちろん、気体です。「気体汚れってなんだよ?」と思うでしょう。こんな表現めったにしませんからね。Googleで調べてもほとんどヒットしませんし。ただ、汚れを体系的に論じるにあたり便利だなと記事を書きながら思いついたので使ってみました。何気に無計画。本記事では、気体汚れは臭いと定義します

気体の汚染の除去は難しいです。前の段落の芳香剤である程度は緩和されますが、あまのはキツイ臭いの芳香剤は苦手です。芳香剤は別の臭いで悪臭をごまかすものなので、キツめのでないと効果が薄いのですが、芳香剤臭いと汚い公衆トイレを連想してしまうので、あまのはマイルドな芳香剤しか使えません。そうすると、プラスαの臭い対策が必要になります (書いてみたらαだけでは済まなかったです)。

換気設備はあまり期待できない

あまの宅のように換気扇がついていない築古物件だと、トイレにも窓がついていると思います。しかし、常に窓を開けるわけにはいきませんし、窓に頼った換気はやめた方がいいと思います。さらに言うと、害虫の侵入経路になるので、窓は無い方がマシです。仮に閉めていても、隙間からコバエゴキブリハチカメムシなどが入ってきます。下の項目で述べる防寒上の理由からも塞いだ方がよいです。

換気扇が設置してあっても、築古物件のそれは埃だらけでまともに動かなかったり、換気機能が低すぎて話にならないもののことが多いです (これは浴室にも当てはまります)。むしろ、中のカビのせいで臭くなることまであります。防臭は換気以外の方法で行いましょう。

スプレー

一番即効性のある消臭方法はスプレーですね。キツイ臭いが苦手な方は、トイレ用ではなく、リビング用などのマイルドなもの、「石鹸のかおり」などをキーワードに探しましょう。大して場所も取らないのでまとめ買いがおすすめです。

ただし、毎回毎回シュッシュしてるとすぐに無くなってしまいます。ご利用は計画的に。

脱臭機

最近はコンセントに挿すだけとか、電球のソケットに入れるだけの脱臭機が流行っているようです。昔は三万円とかしたので、ぜいたく品でしたが、今は大手通販サイトで検索すると、数千円のものがごろごろしています。また、ふるさと納税で扱っている自治体もあったりします。あまの邸では以下の「ニオイヤー」を使用しております。他の製品では、フィルターが詰まったり放電したりオゾン臭がきつすぎたりしましたが、この製品ではそういう困った事態にはなったことが無いです。電球タイプのやつは場所も取らないので、いつか買いたいと思っております。

断熱 (特に防寒)

神003番「運命を操るとは、確率を支配すること」

換気扇の無い物件ですと、無駄に大きい窓があるために熱交換の効率がよく、夏は暑く冬は寒いです。特に冬場は便器に座るのが苦痛です。急激な寒冷刺激は血管収縮を誘導し、その結果血圧は一気に上昇します。血圧の急上昇は心筋梗塞脳卒中を起こします (ヒートショック)。高齢者に多いようではありますが、築古狭小物件で不健康な毎日を送るあまのの同類の皆様はハイリスクだと思われます。

ヒーター類は不適

ヒーターの設置便座の加温機能の使用が対策として考えられますが、狭いトイレにはヒーターは置けませんし、トイレに行きたいときに温め始めても遅いと思います。また、電気代がかかるのも問題です。

プチプチと発泡スチロールで安価にいこう

安価に解決するのは、プチプチまたは発泡スチロールです。引っ越しや大型家具・家電の購入時に沢山ついてくろので、こいつらで窓をしっかり塞ぎましょう。見た目の悪さに目をつぶればかなり効果があります。外からも中が見えなくなるので防犯効果も期待できます。余ったら浴室の窓も塞ぎましょう。まだ余ったら、熱交換効率の高い金属製の玄関のドアにも貼り付けましょう!

収納

神004番 くわっぱ!」

トイレットペーパーや除菌グッズは、一個一個は小さいものですが、トータルでは結構場所をとります。あまのふるさと納税でトイレットペーパー100個セットを購入したことがありますが、置き場所が無くて大変でした。

左右の壁がしっかりしてれば突っ張り棒

大量のトイレットペーパーを収納するために行ったのが、収納の追加です。築古狭小物件だと、トイレの上に戸棚が無いことは稀ではありません。トイレットペーパーをトイレの外に置いてしまうと、万が一の時に大変なことになります。なので、必ずトイレ用品はトイレ内に置けるようにしましょう。

安価に収納力を上げられるのは突っ張り棒を利用したものです。あまのも今のおんぼろ長屋に入居したての頃は突っ張り棒をたくさん買い、トイレだけでなく玄関など狭いスペースの天井付近に収納スペースを作りまくりました。しかし、使ったことがある人ならわかると思いますが、結構簡単に傾きます (図1)

図1 傾いた突っ張り棒 (トイレ内部ではありませんが、トイレで使ってもこんな感じになります。)

重いものを乗せた場合はもちろん、そうでなくても、壁の石膏ボードがゆがむのか壁紙がつぶれて隙間ができるのか知りませんが、ずり落ちてきます。伸ばして圧縮力を強めても傾いてきますが、いつか壁が壊れそうな気がしたので、あまの邸では2回ずり落ちたところのものは順次撤去しております。浴室など壁が固いところでは便利なんですけどね

才色兼備、壁美人

突っ張り棒を撤去した場所には、ホチキスを使用した壁収納を利用しています。無印などでも扱っていますが、「壁美人」シリーズが有名でしょうか。以下のリンクに示した通り、突っ張り棒と比べるとだいぶ値は張りますが、傾いたり落ちたりしないのは大変助かります。また、壁紙がはがれる心配もありません。そして、一番の長所は、両端が壁でなくても使えることです。あまのはトイレ以外にも天井付近のデッドスペースなどにこれを設置し、軽いものはそこに置いています (図2)。左がホチキスでフックを壁の石膏ボードに固定したところで、右がフックに棚を設置したところです。

図2 壁美人設置中 (トイレではないですが、設置の方法は一緒です)

高いところに収納用具を設置していることを関西出身の知人に話したところ、とても怒られました。阪神淡路大震災の際には高いところに置いてあったものが部屋中を舞って大変危険だったそうです。なので、図2の棚には箱ティッシュのストックなど落ちてきても致命傷にならないものを置いています。箱ティッシュでも落ちてきたら痛そうですが、(壁) 美人に叩かれるリスクは受け入れることにしました。

まとめ

侏儒の言葉 トイレの落書き編「神よりも紙を、そして髪も。」

最後だけネタが違います。どうしてもこれで締めたかったのです。許してください。快適な排泄生活のコツは以下の通りです。

  • カビ対策: 芳香剤・射出ジェル・除菌シートでお掃除
  • 消臭: 換気扇には期待しないで、スプレーや脱臭機を
  • 断熱: 引っ越しの際のプチプチや発泡スチロールは大事に保管
  • 収納: 設置場所の壁の状況に応じて突っ張り棒と壁美人

部分的に汚い話もありましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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