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男児の夢をこの手に!

工作
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前々回の記事および前回の記事でと男児の夢であるオリジナル武器の作成をしてきました。刀身切羽まで完成したので次はそれらにつながるです。簡単に作れそうに思えますが、意外と骨が折れます。ハロウィンまでに全工程を公開する予定でしたが間に合いませんでした…ファンの皆様ごめんなさい。

柄の構造

握るだけの棒だと思ったら大間違い。刀身と持ち主を守るための部品構成斬るのに適した構造見るものを魅了する美的センスが凝縮されております。あまの作の脇差の柄を用いて構造を説明します。試行錯誤を重ねた一振り目で優美とはいいがたいですが、説明に耐えるだけのリアリティはありますのでご容赦を!

tsuka

柄下地

柄下地は、写真には写っていませんが柄巻鮫皮の下にある柄の骨組みというべきパーツです。朴の木(ほおのき)という木の板から削り出して作ります。鞘も同じです。朴の木には油分が少ないので刀身に優しいのだとか。木材は切り出した直後は水分を含んでおりますが、放置することで徐々にそれが抜けていきます。水分の放出に伴い変形してしまいますので、拵えが変形するのを防ぐために10年間乾燥させた朴の木の板材を使用するそうです。あまのも10年前から準備していました。すいません、嘘です。長い時間をかけて準備した板材2枚(差し表側と差し裏側)を用意し、両者に茎の通る溝を彫ります。これらを貼り合わせて後述の他のパーツをつけていけば完成です。

あまのを含めた作刀素人さんが陥りがちなミスですが、日本刀の柄は思っているよりも長いです。脇差用でも両手で余裕をもって握れますし、打刀用でしたらさらに長いです。大体鞘の長さの1/3くらいだそうです(長すぎると長巻という別なウエポンになります)。あと、単純な直線ではなく、刃と同じ向きに緩やかに反っていることも忘れてはいけません。さらに、太さも均一ではなく、中央付近で少し細くなっております。反りと太さの変化を考慮してその上見た目の美しさや機能性を考えると設計がかなり難しいことがお分かりいただけると思います。

幸い、ネットに刀の写真はあふれておりますので、それらを参考にじっくり考えましょう。段ボール刀の型紙とかを流用してもいいと思います。

縁頭

縁金柄頭あわせて縁頭といいます。前者が刃先側で、後者がその反対側です。水牛の角や鉄/赤銅/真鍮などの金属を材料としています。柄を保護するほか、柄頭は柄糸の結び目、流派によっては柄当てという打撃技の武器としての機能も持ちます。

小さいパーツではありますが、ネットで画像を検索すれば0.2秒くらいで分かる通り、かなり手の込んだ装飾がなされていることが多いです。太刀と打刀でもだいぶ姿が異なります。時代考証などにこだわる方はよく調べて設計しましょう。

鮫皮

鮫皮は、柄下地を覆う薄いパーツです。「鮫」とありますが、実際は「エイ」の皮です。サメとエイは生物学的にかなり近縁ですので納得はできますが、1000年近く前から類縁種ということが理解されていたことには結構驚きました。

「高速水着」なるものが十数年ほど前に流行ったのを覚えていますか?サメの肌には凹凸があり、これによってフォルム的には速く泳ぐのにそれほど適した形状ではないにもかかわらず実際にはかなりのスピードが出せるらしいです。この特殊な構造を水着に落とし込もうという試みが昔からなされておりました。SPEEDO社Fastskinがそれですが、開発当初は誰でも速くなるというものではなかったそうです。このコンセプトに、撥水素材や体の引き締め効果を組み合わせたLZR Racerは浮力や抵抗といった水泳の力学のありかたを一新し、世界記録の更新に大きく貢献しました。その後、各社が高速水着の開発に注力するようになりました。これによって、選手の実力よりもスイムウェアメーカーの技術力が注目されてしまい、行き過ぎないようにスイムウェアの素材や被覆面積などに規制がはいったようです。鮫肌だけで世界記録が更新されたわけではありませんが、スイムウェア開発の一つの節目となったのは確かでしょう。

水着だけでなく、わさびのすりおろしにも鮫肌は利用されます。お刺身やお寿司を召し上がる際には欠かせない辛味成分だと思いますが、生わさびをしっかりすりつぶすことによって辛み成分を外に出してあげないとあの味は出ません。サメやエイの皮膚の粒々の細かさと硬さはこのすりつぶし操作にちょうど良いということで、江戸時代末期から現代にいたるまで使われてきました。

ちなみに、鮫肌の粒はやすり代わりに使えるくらい硬いのですが、これはなぜかというと、この粒が歯と同じエナメル質でできているからです。意外かもしれんせんが、エナメル質は骨よりも硬いのです。このため、やすり代わりに使っても大丈夫なんですね。そして目が細かいからワサビもおろせると…いや、昔の人、良く気付いたものです。そして、木の板に貼りつけて上品な感じに仕立て上げるセンスが素晴らしい!贈答品にもぴったりですね!

さてさて、話がとても脱線しましたが、サメやエイの皮はとても人間の生活に有用であることがお分かりいただけたと思います。作刀ではに使われます。硬いので補強作用が見込め、細かい凹凸があるので柄巻きのずれが防止でき、様々な加工を施すことで見た目もおしゃれにできるといいこと尽くめです。

目釘

目釘はを貫通し、拵えをつなぎとめるとなる部品です。小さな部品でほかの構成要素をつなぎとめるため、破損することが多いそうです。大昔には金属製の目釘なるものがあったそうですが、衝撃で変形して抜けなくなるため、現在も使われる竹製のものに変わっていったそうです。

消耗が早く交換の頻度が高いことから、この刀装具については自分で作ったり調整できたりしないといけないそうです。

目貫

目貫はもともとは目釘の頭についていたパーツでしたが、独立しました。と同様に見栄えの要素が大きい刀装具ですが、グリップ感(手溜まり:てだまり)を良くするという機能ももちます。目釘刀身の中央に開いておりますので、その上にあった目貫もやはり中央に位置しております。目貫が通る柄の中心線を目貫通りと言い、それが転じてメインストリートを目抜き通りと呼ぶようになったといいます。目貫は差し表の縁金側と差し裏の柄頭側に1つずつ装着されます。

目貫のデザインは色々ありますが、モチーフによって以下のように分類可能です。

  • 武具:弓矢、甲冑など
  • 芸能:般若や獅子舞など
  • 動植物:虫や魚を含めて多種多様
  • その他

デザインが細かいものを作るとどうしても大きくなりがちなので、最初は簡単なものにしましょう。あまのは打刀用の花鳥図目貫がデザインの段階で大きくなりすぎて何度も縮小することになりました💦

柄巻

柄の菱形模様は日本刀の特徴の一つだと思います。菱形模様を作り出すのが、柄巻です。鮫皮の上を縁金から柄頭に向けて柄糸を巻いていく際にひねりを加えることであの菱形ができるのです。柄糸は正式には正絹(100%の絹糸)でつくられますが、コストカットのため、現代では人絹(化学繊維)を用いることもあるそうです。革製のものもあるようです。柄の長さは20-30cm程度ですが、何回もひねりながら巻き付けるためには3mくらいの糸が必要になります。巻き方によってはもっと必要です。

「絹糸」と一口に言っても組み紐の作り方によっていくつかの種類がありますが、ここでは割愛します。あと、菱形を作らない特殊な巻き方をする場合には藤蔓を使用することもあるみたいです。

柄紐の巻き方も多岐にわたりますが、菱形模様を作る主な巻き方には平巻菱巻摘巻捻巻があります。巻き方の説明は大変なのか、ネットを探してもあまりヒットしません。あまのはたまたま最初に見つけたwebサイトにあった方法をそのまま採用しました(リンクはこのページの下部に貼ってあります)。

各パーツの作成方法

さてさて、構造の基本知識が頭に入ったところで作成に移りたいと思います。

柄下地+目釘

まずは、柄の差し表側と差し裏側の二枚の木の板を用意します。廃材でもホームセンターや100均で買ったものでも結構ですが、注意事項があります。板が反っていてはいけません。差し表の板と差し裏の板を貼り合わせたときにぴったり合わないからです。よく見てどの板を使うかを決めましょう。ただし、購入時にはまっすぐでもいざ使おうとすると曲がっている可能性があります。なぜでしょうか?

板の反りは木材が水分を吸収・放出することによります。たとえ切り出して板材などに加工してもこの現象は起こります。水分による寸法変化を抑制するために、本物の日本刀を作る際には10年ほど木材を寝かせて、安定させるそうです。さすがに素人の作刀で10年待ちは非現実的ですので、反りが出る前に作業をしきってしまいましょう。

まずは、差し表か差し裏の一方の板を柄下地の形にあわせて切り出します。完全にまっすぐではないので、で概形を切り出し、やすりルーター+ドリルビットで整えます。反対側の板はしばらく放置です。

それができたらの陰型を彫りこみます。茎がどこまで深く入っていくかを正確に決めるため、刀身に鎺、切羽、鍔、切羽を装着した状態で柄下地にあてがい、設計線を描きこみます。その後、刀身の厚みの半分の深さの溝を彫ります(あまのの場合6mmのプラ板なので溝は約3mmの深さ)。プロの鞘師さんなどは彫刻刀で彫るらしいですが、深さを一定に彫るのは慣れていないと難しいと思います。あまのは、ルーターに円盤状のドリルビットをつけて、「円盤がギリギリ埋まらないくらい」などの目安を設定して溝を作りました(使用するビットによってこの目安は変わります)。これだけだとがたつきがあるので、溝の底面や側面はやすりで整えました。その結果が以下の写真です。打刀作成時の写真が見つからなかったので、脇差作成時の写真です。

↑歯科で使う器材も普通にAmazonとかで買えるんですね。しかも思っていたより安い…

溝が彫れたら、縁金側から茎がスムーズに入るかを確認しましょう。最終的には柄の穴から茎を出し入れするので、上からおいて大丈夫でも出し入れできないと困ります。茎を溝の上で何回かスライドさせ、もし引っかかる箇所があれば削っておきます。

ここまで出来たら、茎に開けた目貫穴に細いペンなどを挿入して、柄下地に目貫穴の位置を転写しましょう。転写された部分にルーター+細いドリルビットで穴を開けます。斜めになると目釘が差せなくなるので垂直に穿ちましょう。穴を開けたら目釘がしっかり入るか確認です。あまのは壊れた家電製品からとった直径2.4mmくらいの円柱形の棒を使ってしまいましたが、まじめに作る人はここでしっかりしたものを作る必要があります。目釘が入ったら片側の柄下地はひと段落です。もう片方に着手します。

反対側の柄下地の作り方は順番が先ほどと異なります。柄で一番重要なことは、茎が収まることです。二枚の板に彫った溝がずれてはいけませんし、目釘穴がずれていたら茎が固定できません。なので、二枚目の板はまず目釘穴と溝から作ります。2枚目の板を溝を彫る面を上にして作業台に設置し、その上に作成済みの1個目の柄下地を溝を下にして置きます。ここで大体のアウトラインをペンなどで印記しておきます。溝彫りが下手だとこの印記からずれるので、この段階ではあくまで目安です。目釘穴から千枚通しやボールペンの芯の部分を通して2枚目の板に目釘穴の位置を印記し、ルーター+細いドリルビットで穴を開けます。この目釘穴に先ほどの目釘が入ることを確認したら、をセットします。目釘穴が2か所あれば、と2枚目の板の位置関係が固定されますので、最終的にずれが生じにくいです。不安なら、柄頭側にも固定用の穴をもう1か所開けましょう。目釘によって茎の位置がずれないことを確認したら、茎の位置をペンでなぞって二枚目の板に転写します。転写後は1枚目の板と同様に2枚目の板に茎の溝を彫りこみます。

↑この工程は写真が無いと分かりにくいのですが、スマホ見たら全然撮っておりませんでした…申し訳ございません…

差し表、差し裏の溝が彫れたら、クランプや自分の手で2枚の板を押さえて、茎を出し入れできるかを確認しましょう。溝の底面に凹凸があると途中で茎を抜き差しできなくなりますので、調整が必要になります。ただ、2枚の板がどこで茎に干渉しているかは直視できません。そこで、干渉部を印記します。本物の鞘師さんは専用の油を刀身に塗り、それを差し入れするそうです。干渉部に油が付着するのでそこを削るということですね。油なら何でも良さそうなのですが、調理用はさすがに匂いやが寄ってくる恐れがあるので、それ以外にしましょう。あまのは自転車のチェーンに吹き付けるスプレーを使いました。匂いはアレですが、効能はばっちりです!換気はしっかりね!

スムーズに茎が出し入れできることが確認できましたら、目釘が2枚の柄下地と茎をきちんと通るかをご確認ください。接着の直前に、2枚目の板の外形を切り出します。少し余裕をもって大きめに切り出しましょう。

ここまで大丈夫ならいよいよ接着です。実際には続飯(そくい)というご飯粒を練ったものを使用します。接着力があり、かつ、必要に応じてふやかして剥がせるというメリットあるそうです。メンテナンスのしやすさ的にはこれがベストなのでしょうが、プラスチックのの鑑賞刀でしたら錆びることもありませんし、普通の接着剤で大丈夫です。ただ、塗りすぎると茎のスペースが埋められてしまうので、適量の塗布を心がけましょう。

接着剤が十分乾燥したら外形の仕上げです。柄や鞘の断面は長楕円形~卵円形ですので、角を落としていきます。いきなり完成形を目指して削っていくと多分ひどいことになるので、最初は4mmくらい均等に角を落として八角形の断面を目指しましょう。やすりを使って少しずつ削ります。その後さらに角を落として少しずつ丸みをつけていきます。ここまでやると下の写真の状態になります。打刀作成時の写真が見つからなかったので、脇差作成時の(以下略)。

まだ凸凹がありますので、さらにやすりで滑らかにしていきます。縁頭の作成過程でも修正が入りますが、歪みのない状態にしておきましょう。

縁頭

縁頭は本来は金属製ですが、金属の鋳造や鍛造はかなり大変ですので、プラスチック木材で作成することになると思います。木材であれば、ホームセンターでブロック状の端材を安く手に入れられます。プラスチックの場合は液状のプラスチック(モノマー)を成形後重合させることになります。あまのは後者を選びました。

プラスチック成形の方法にはいくつかあります。代表的なのは100均などで売られているUVレジンですが、これらはチューブが何十本も必要になってしまうので、ここでは使用しませんでした。(後述の小さな目貫には使えます。)以前の記事で出てきた歯科医師の親族が教えてくれたのですが、技工士さんに注文しないでもできる(1回で終わる)プラスチックの虫歯治療とか仮歯や入れ歯の修理はプラスチック成形でやっているそうです。プラスチックの素(モノマー)を光で重合させたり、モノマーの液体に重合開始剤を含む粉を混ぜることで重合させるとのこと。懐かしいですね、高校化学。下のリンクの本の著者の橋爪先生にはあまのもおせわになりました。「カツーンとぶつかって」「カパッと割れて」という独特の表現で有機化学の重合反応を説明なさっていたのを数十年たった今でも覚えております

さて、この歯科用のプラスチックですが、うまい人だとどんな形も自由自在に作れるのだそうですが、やはり医療用なので安全性などの厳しい基準をクリアしているためか、高額でした。趣味でちょいちょい買うのには抵抗があります。家庭用で似たような性質のものがありますので、そっちの方がお財布には優しいですね。モノマーの液と重合開始剤を含むポリマーの粉末を筆の先で混ぜて、できたダマを盛っていきます。「筆積み法」という名前だそうです。

材料の説明はこの辺にしましょう。先ほど作成した柄下地の縁金柄頭に相当する部分をやすりルーター+ドリルビットで削ります。下の写真のような感じです。このあと柄頭には柄糸を通すための穴も開けています。縁金は、切羽に接する部分を全て覆うので柄下地を5mmほど詰めないといけないのですが、最初に削ってしまうとどこまでプラスチックを盛り足せばいいのかわからなくなるので、まずは外周部分のみ削ります。木材とプラスチック、どちらが薄すぎても破損の原因になりますので、少なくとも2-3mmは幅を確保してください。あと、先が細くなるように角度をつけないと作ったパーツが付け外しできなくなるので注意してください。写真のような状態になっていると思います。ちなみに、下に敷いているのは鮫皮の代わりの鹿皮です(後述)。打刀作成時の写真が見つからなかったので(以下略)。

削ったところに直接プラスチックを盛ってしまうと、木材にモノマーが浸み込んで外せなくなりますので(模造刀ならそれでもいいかもしれませんが)、あらかじめワセリンなどの分離剤を木材の方に塗っておきます。筆積み法を指導するほど慣れてないので、細かなテクニックはネット動画にお任せしますが、少しづつ手早く盛ります。重合すると収縮して外れにくくなりますので、完全に固まる前に付け外ししましょう。柄頭は帽子状の、縁金はドーナッツ状のパーツができます。重合が完全に終了するまでは時間がかかるので、1時間くらい放置しましょう。社会人の方はここで出勤したり就寝したりするといいと思います。

出来上がった直後は表面ががたがただと思いますので、ルーター+ドリルビットで整えましょう。縁金切羽との接触部分も柄下地の木材にあわせて平らに仕上げます。ここまで出来たら、先ほど放置していた切羽との接触部分の加工に手を付けます。縁金が柄下地と同じ高さになっていることを確認後、柄下地の木材を5mm程度削り落とします。そして、空いたスペースにプラスチックを筆積みします。柄下地に分離剤を塗りなおすのを忘れずに!これで、正確な高さの縁金ができます。内側に盛りすぎると茎が通らなくなるので、茎に分離剤を塗ったうえで柄に挿入し、その状態で作業しましょう。

お好みにの色で塗装をしたら縁頭完成です!この後は鮫皮柄糸を巻いていきますが、それによって太さが出てしまうので、柄下地をすこーし削りましょう。1mm弱です。自身が無ければ削らなくてもOKです。縁頭の方を大きめに作るのも可です。刀身とのバランスを見て調整してください。ここまでやると、以下の状態になります。打刀作成時の写真が(以下略)。

鮫皮巻き

本物の日本刀はエイの皮柄下地に巻きますが、ネットで探したところとても高額でしたので(端切れは安い)、代替品を考えました。最近(2023年秋時点)なぜか100均でフェイクレザーが売ってるので、これいいかなと思ってます。ただ、あまの邸を捜索したところ自動車の汚れをふくクロスの鹿皮が未使用の状態で発見され、これを使うことにしました。ちなみに、”セーム革”で検索すると水泳用のタオルが出てきますが、これはポリビニルアルコール製のスポンジタオルなので別物です。こちらはこちらでスポンジ状なのでグリップ感がいいなど思わぬメリットがあるかもしれないので、どなたか試してください。

この鹿皮、もともとは上の写真の色でしたがアクリル絵の具で白く塗りました。これを柄にあうように切り取って接着剤で柄下地に貼りつけます。鹿皮は伸縮性があるのでの曲面に沿わせてもシワになりにくいのが良かったです。一気に全面に接着剤を塗るのではなく、差し表差し裏の広い平面から始め、段階的に接着面を増やしていきましょう。接着剤を使いすぎるとぼこぼこになるので注意してください。鮫皮を着せると目釘穴が一時的にでふさがりますので、後で千枚通しなどで穿ってやります。接着剤をつけすぎると目釘穴からを収めるスペースに接着剤が漏れこむので少なめの塗布を心がけてください。ここまでやると以下の写真の状態になります。

ちなみに、打刀の柄は以下の写真のようになりました。薩摩拵のように長い柄にしたので鹿皮が一枚では足らず、切れ端をつぎはぎしております。柄巻きがあるのでそれほど目立たなくなるのではないかと期待してのことです。つぎはぎの段差の部分にアクリル絵の具を厚めに塗ると少し目立たなくなります。

差し表と差し裏の写真が入り乱れていてすいません…記事を書いていて気づきました。

本物の目貫は金属製ですが、鋳造技術や設備が無いので(そんなものお持ちのご家庭はレアだと思いますが)、上述のプラスチックで作成します。ただ、筆積み法で大まかな形を作ってルーター+ドリルビットで細かいところを削り出すのは結構難しいのではないかと思います。そこで、今回は鋳造の真似をすることにしました。融けた金属の代わりに固まる前のプラスチックを型に流し込むのです。

金属加工になじみの無い方を対象に、まずは鋳造の基本を説明いたします。大まかには以下の工程で行われます。

  1. 製品とほぼ同じ形の原型(げんがた)をつくる
  2. 原型を埋没材に入れて鋳型(いがた)をつくる
  3. 原型を除去する
  4. 鋳型に液状の材料を流し込む
  5. 材料の硬化後鋳型を除去する

今回は原型としてを、鋳型として石膏を用いました。ネットで調べると、アクセサリづくりにワックスモデリング法が用いられているようですので、そういった記事が参考になります。

最初に原型の設計を行います。柄に乗せるパーツなので、柄をはみ出てはいけません。なので、幅は大きくても30mm程度が限界ということになります。長さは特に制限はありませんが、バランスを考えると60mm程度でしょうか。一般的な目貫は幅も長さもこの半分程度です。厚みは中央部は少し厚くても大丈夫ですが、柄の辺縁部ギリギリのところが20mmとか30mmもあると手溜まりが悪くなるので、小さめかつ薄めを心がけて設計してください。あまのの脇差につけた海馬図目貫は今測ってみたら20mmx25mmでした。一方、打刀につけた花鳥図目貫はそれぞれ30mmx40mmと35mmx60mmというかなりのオーバーサイズになってしまいました。形が複雑になってしまうとどうしてもサイズが大きくなりがちです。蝋で原型を作ったら、柄に乗せてはみ出さないか確認しましょう。

蝋での原型作りは汚れまくります。要は融けて液状化する直前までロウソクをあぶって、手早く指やヘラなどで押して大まかな形を作って、細かいところを削ったり足したりするのですが、削りカスが飛んだり、融けた蝋が下に落ちたりします。あまのは台所のガスコンロを熱源にしていますが、単身赴任中だからできたことですね。ちなみに、ジュエリー製作の際には製品のクオリティの観点から融点がコントロールされた専用のワックスを使用するのだそうですが、目貫制作の場合はそこまで高品質である必要はないので、100均のアロマキャンドルとかで大丈夫です(実はアロマでなくてもよい!)。色はお好みで。あまの作のは以下のような感じになりました。細かいカスは針で引っかければ取れます。表面のでこぼこやざらつきはナイロン製のストッキングや歯ブラシなどで優しくこするとつるつる✨になりますよ。そう、そこのあなたのようにね!

なお、台所で作業したため、ほこりやその他の汚れを吸って、もともとピンクだったはずの蝋がおぞましい赤黒い色調になってしまいました。フォトレタッチ機能を限界まで利用してここまできれいになりましたが、いや、工作室のあるお家に住みたいものですね。

さて、原型ができたら石膏の鋳型の作製です。石膏は、粉と水を混ぜて放置すれば固まります。適当な木片(柄や鞘を作る際の切れ端でOK)で枠を作って、側面と底面を粘着テープで固定し石膏の漏れを防止します。底面の粘着テープにに原型をくっつけます。なお、蝋は水をはじくので、硬化前の石膏の液(液というか泥)が馴染みにくいそうです。界面活性剤を塗ってやるといいみたいです。薄めた台所洗剤でいいですよ!ここまで出来たら粉を少量かけて水をたらし、小さい筆で細かい凹凸部を中心に石膏液を塗ります。適当で大丈夫です。そしたら次に先ほどより少し多めに粉をかけて水を垂らし筆でならします。あとは少しずつ粉と水を増やして原型が見えなくなるまで石膏液を盛り続けます。効果に数分かかりますが、あまのは表面が乾くまで数時間放置しました。

石膏への埋没直後の写真が左になります。表面に気泡がありますが、これが原型付近に発生すると、目貫に泡の形のプラスチックがついてきてしまいます。本当は振動を与えるなどして石膏が固まる前に除去すべきなんだそうですが、原型が粘着テープからはがれそうなので止めておきました。なお、石膏は2kgで1000円いかないくらいのお値段ですが、2kgも使い切れませんよね?小麦粉と間違えたら大変ですし置き場所にも気を遣います。適量を購入しましょう。なお、1kgでも多すぎという説が有力です。

鋳型の石膏が硬化したら、木片や粘着テープを外します。粘着テープと原型が剥がれていなければ原型底面の蝋が露出しているはずです。ここから蝋を剥がします。金属を使った鋳造では、電気炉に鋳型を放り込んで蝋を焼却するのですが、一般家庭にそんなものはありません。適当な容器に熱湯を注いでそこに鋳型を入れましょう。融けた蝋が水面に浮いてきます。冷えてくれば蝋が固まるので拾えば再利用できるのでお得です。鋳型に蝋が残っていないかを確認し、残っていたらもう一回熱湯コマーシャルです。手で取ってもいいです。石膏のバリも綺麗に取ってやると鋳型完成です。

左の写真は凹凸がはっきり見えるようにフォトレタッチ機能全開で作りました。辺縁部にはバリが生じやすいので、ペキペキ折ってやりましょう。この後、縁頭を作成した時と同じようにプラスチックを使って目貫を成形します。なお、プラスチックが硬化した時に歪むので、運が悪いと目貫鋳型から外す際に鋳型が破損します。また、鋳型を真上から見て影になる部分があると、外すときに必ず引っかかりますので、壊れます。可能なら蝋で原型を作る段階で影になりそうな部分は埋めてしまいましょう。

分離剤のワセリンを鋳型に塗り、プラスチックの粉と液を使って鋳型を満たしていきます。一気にたくさん入れると、空気が入ってしまうので、細かい部分からやっていきます。完全に硬化する前に出し入れを繰り返し、外れることを確認後硬化させきります。

硬化したら表面のざらつきなどを研磨し、塗装したら完成です。もし、柄から浮いて安定しないようであれば、底面にプラスチックを盛り足して安定させましょう。鮫皮にプラスチックがつかないように、アルミホイルを下に敷くとよいです。あまの製の目貫たちは以下のように仕上がりました。それにしてもちゃんとした写真の少ないことよ…

柄巻

柄巻には3mもの正絹製の柄糸が必要ですが、とても高額です。その上、色彩感覚に優れない人は刀にマッチしない色のものを選んでしまう恐れもあります。あまのは、保育園や小学校の入館証に使われるストラップを複数本糸で縫い合わせたものを使用しました。グリップ感を考えると、厚みがあるものがいいと思います。

柄糸の巻き方はとても説明できそうにないので、ネットで別途お探しください💦参考になるリンクはページ下部に貼ってあります。

あと、ストラップにいい色が無いからといって、アクリル絵の具で色を変えるのはお勧めしません。ガビガビになって巻きにくいです。とても。

webサイトを見ながら一生懸命巻いたら柄巻き終了です。目貫を配置するのをお忘れずに!

これで柄は完成です!刀身をセットして本体は完成です!

いやー作製過程を書くのって難しいですね💦完成した刀身(打刀)は以下の状態です。

参考にした/勉強になるwebサイト

あまのの未経験の作刀がどうにかこうにか達成できたのは、以下のような大変勉強になるwebサイトのおかげです。関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

太刀 – Wikipedia

打刀 – Wikipedia

脇差 – Wikipedia

短刀 – Wikipedia

刀剣・日本刀の専門サイト「刀剣ワールド」 (touken-world.jp)

“刀都” 関市産の居合刀をお届け – 刀部 かたなべ 日本刀の拵と居合刀の製作・販売 (katanabe.com)

【作画資料】日本刀の種類や構造・描き方 | イラスト・マンガ描き方ナビ (clipstudio.net)

トップページ – 相楽製作所 (sagara-works.jp)

~ テント裏工房 ~ (fc2.com)

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました!

次はいよいよを作ります。終わりが見えてまいりました!乞うご期待!

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