ストレスなく暮らすためには、安全が確保されていなければなりません。以前、住居探しのコツのコラムで地域の治安について述べました (以下リンク)。
この記事を参考にしていただければ、一見治安がよさそうに見える地域でもトラブルの元となる人は存在することが分かります。暴言など、直接何かされた場合は被害がはっきりしておりますし危険ですので、オーナー、管理会社、警察 (できれば全部) に今すぐ相談しましょう。悩み無用です。
一方、間接的に被害を受けた場合、つまり、あなたが部屋を開けている間、あるいは駐輪場や郵便ポストなど部屋の外のものに何かをされた場合は被害の詳細が分からないので、説明がしにくいと思います。被害の内容によっては「偶然」とか「気のせい」、あるいは「統合失調症による被害妄想」などと言われ、相手にしてくれない可能性があります。
被害の状況を明らかにするためには、監視カメラの導入、アリだと思います。最近は行政が街中に設置していますし、個人でも手が届く製品が非常に増えております。
防犯カメラの歴史
今では一般的になった防犯カメラですが、歴史に姿を現したのはいつのことでしょうか?
答えは、1933年、場所はイギリスです。アマチュアカメラマンのノーベリさんが鶏卵泥棒を写すために発明したものらしいです。建物内に誰かが侵入すると、ピタゴラスイッチ的にカメラのシャッターが切られて静止画を撮影するという仕組みで、現代社会の防犯カメラとは全然違うイメージですが、「カメラによる防犯」というアイデアは画期的であったと思います。このような歴史的背景があるからか、イギリスは現在でも防犯カメラ大国だそうです。
日本ではいつごろ防犯カメラが導入されたのでしょうか?1968年の三億円事件を契機に銀行などで導入が始まり、1995年の地下鉄サリン事件でその必要性についての認識が高まったと聞いております。若い方はピンとこないと思いますが、当時を知るものからすると、両方とも世間を揺るがす大変な事件でした。数十年たった今でも書籍が出されるなど、定期的に議論されている事件ですが、ティーンの方などは詳細を知らないという方も多いと思われます。
警視庁は、繁華街の防犯対策として2001年より歌舞伎町、渋谷、池袋などに監視カメラを設置しております (街頭防犯カメラシステム)。これによって、一定レベルの犯罪の抑止に成功しています。2010年台になると、繁華街以外の住宅街などでも設置が進み、街中でふと上を見上げると防犯カメラ目線になっていることがあります。
このように、防犯カメラが普及する中で、カメラの技術にも撮像管方式からCCD方式へ、リアルタイム監視から録画へ、モノクロからカラーへ、ネットワーク接続、AIの導入など、躍進がありました。また、普及率の上昇により値下げも起こり、個人でもハイスペックな防犯カメラの導入が可能となりました。
個人レベルでの防犯
個人で防犯カメラを設置するには大きく分けて二つの方法があります。一つはセキュリティサービス会社に依頼するというものです。大手としては、SECOMとALSOKが有名です、というか有名すぎます。ほかにはCSPセントラル警備保障や全日警などが知られています。全日警はシェアこそ食われ気味ですが、老舗かつリーズナブルということで支持している人は多いですね。被害が悪質であるとか、継続的に被害に遭っている場合は「自分で監視カメラを…」などと言っていないで、お金を払ってでも警備会社に依頼しないといけないこともあるかもしれません。あまのはそこまでの被害に遭ったことが無いので、体験談として具体的なアドバイスはできませんが。
危険性が低いとか、時々何かされているとかのレベルであれば自前で監視カメラ設置はアリだと思います。駐輪場や郵便ポストへのいたずら対策となると共有部分への設置になるので若干ハードルは上がります。屋内あるいはベランダから駐輪場や郵便ポストが直視できるのであれば何とかなりますが。
上述の通り、現在では防犯カメラの技術が上がり低コスト化しているので、個人でも一万円せずに防犯カメラを導入することが可能です。製品によって具備する機能が違うのですが、以下のものは外さない方がいいと思います。
- 首振りの範囲が大きい
- 赤外線による暗視機能がある
- AIで動くものを追跡できる
- 動画をクラウドに保存できる
1~3については、これが無いと監視できる情報が少なすぎて使い物にならないと思います。カメラの視覚に入られたら当然見えませんし、後ろ暗いことをする人は大体夜間や住人不在で部屋が暗い時に活動すると思いますので。
4については、動画の保存にとんでもない容量を使うので、SDカードを頻繁に差し替えてコピーするのは大変だと思います。また、クラウドに保存していれば下手人がカメラを破壊したり持ち去ってもデータは残るので警察に提出できます。注意しなければならないのは、クラウドへの保存容量は限られているので、たまーにデータを抜き出さなければならないということと、メーカーによってはサーバーが某国にあるので、流出する危険があることでしょうか。
具体的な製品としては以下のものがあります。コスパを考えるとほぼ一人勝ち状態のようです(?)
設置が難しいとか、細かい作業が苦手な場合には以下のようなサービスを利用するのもいいかもしれませんね。若い人なら必要ないかもしれませんが念のため。
まとめ
安全が売りの我が国ですが、外国人労働者や留学生そして不法入国者の流入およびその子孫の増加、そして日本人のモラル低下によって社会の安全は低下しているように思います。また、地域の交流も減っており、隣人に対する不満がたまりやすく犯罪として噴出するケースもあると思います。
今回このような記事を書いたのは、あまの自身が隣人やオーナー親族の行いに困らされた経験があり、築古狭小物件に暮らす人の中には同じ状況の方がいるのではないかと考えたからです。「駐輪場の自転車を整列する際にハンドルをひねられブレーキワイヤーが切られる」「マンション中の住人に対してクレームをつける癖に自分の部屋のまわりはゴミであふれて虫害が発生している」など、被害内容が明確なうえ、実行者もほぼ確実でしたので、証拠集めのために導入を検討しました。
結局、プライバシーの問題から賃借人が共有部分に防犯カメラを設置するのは難しいことから屋外の監視には使えておりませんが、合鍵を使っての侵入対策として目を光らせています。監視の目があるということで自分も安心ですし、監視しようと試みたというポーズが相手に伝われば抑止力にもなります。トラブルを放置することによるストレスや病院受診にかかるお金と一万円弱を天秤にかけて検討してみましょう。
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